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平成28年3月1日

労基法改正案の行方は?


 これまで労働新聞で報じてきました今通常国会での主な労働法改正について整理したいと思います。今国会は、7月に参院選が控えているため延長の可能性は小さいと思われます。このため、提出法案数は全体としてかなり少ない模様ですが、労働法改正案は例年通りの本数となっていると考えられます。つまり、労働基準法、雇用保険法、育児・介護休業法、男女雇用均等法、高年齢者雇用促進法が主要なところです。
 まず、継続審議となっている労働基準法改正案ですが、昨年の労働者派遣法改正より影響が大きいと考えられ、野党側から強い反対の意思表明(対立法案)がされています。「残業代ゼロ法」といわれる高度プロフェッショナル制度が高い壁となります。仮に実質審議が行われたとしても会期末の5月までずれ込むと、成立は難しいでしょう。残業代ゼロ法を成立させたと宣伝されたら、選挙に差し支える可能性があります。今国会では全体として、難しい対立法案の審議は見送られることを考えると、成立は早くとも秋の臨時国会になるかもしれません(これは予想です)。
 労働基準法改正案以外は、成立が見込まれます。このうち例年にない大改正となるのが、雇用保険法改正です。65歳以上の高年齢者を新たに適用対象に加えようとしています。これまで、長年にわたって結論を先送りしてきた課題で、ようやくゴーサインが出ました。
 高年法改正は、シルバー人材センターの運用見直しが注目されます。これも以前から課題となっていました。民業圧迫とのバランスを取る必要があり、難しい面もあります。結局、職種は限定されるものの、週40時間の就業が可能となる見込みで、短時間要件は大きく緩和されるようです。シルバー人材センターは、格安で利用できることは間違いなく、民間にとって驚異の一つとなるかもしれません。
 いずれにしても、一億総活躍社会に向けた女性や高齢者の活用をめざす法案が中心です。だれも反対できない法案ばかりそろえれば、色々な意味で見通しが明るいということになります。
(労働新聞メールマガジン)





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