• 事務所概要
  • アクセス
  • お知らせ

平成29年7月1日

労基法改正案は最後まで手付かず


 平成29年の通常国会が「組織的犯罪処罰法改正案」を成立させて閉幕しました。そんな中で労働関係法案は、雇用保険法等改正案が28年度末に成立しましたが、それ以後は音沙汰なしでした。もっとも、雇用保険等改正案には、職業安定法改正案、育児・介護休業法改正案などが一体化していて、一括審議されています。しかし、とうとう最後まであの問題の改正案が実質審議されることはありませんでした。そうです「労働基準法改正案」です。これまでの例でも、労基法改正案は成立するまで数回の通常国会を経る必要があるというのが、常識になっていますが、その通りまたもや継続審議となりました。「ねじれ国会」でもないのに与党の腰が引けています。
 改正項目の一つに「高度プロフェッショナル制度」があり、ネックとなっています。つまり、野党などから「残業代ゼロ法」と揶揄されているものです。都議選を前にして、それでなくとも与党にマイナスの選挙環境が整いつつあるのに、「残業代ゼロ法を強行採決」などと宣伝されたら、墓穴を掘るようなものです。従いまして、労基法改正案には最後まで一切触れず仕舞いとなりました。
 心配なのは、そろそろ腐りかけていることです。継続審議を重ねるうちに新たな労基法改正案が登場しそうになっています。時間外労働法制の改正案が今年秋の臨時国会にも提出される可能性が高まっているのです。
 さて、新改正案と旧改正案は国会審議上どのように交通整理されるのでしょうか。この交通整理は、いまのところ役所に聞いても分からず、もっぱら国会議員の先生方のご意向待ちのようです。分離して成立しやすい方から片付けるということになるでしょうか。
 労基法改正案が腐りかけているといいましたが、正確ではないかもしれません。腐敗ではなく、発酵して美味しい法案に変わっていけば幸いです。





お問い合わせ



TOP PAGE