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平成30年2月1日

恐れる必要はないAI化


 厚生労働省の労働政策基本部会がAIの雇用・労働への影響問題について議論を始めました。これまでの研究結果で注目されていたのが野村総研とイギリスのオズボーン准教授が共同で実施したものです。それによると、日本では仕事の5割程度が技術的にコンピュータ化可能という結論のようです。
 しかし、発表者の野村総研では、この共同研究を実施した狙いは、AI利用に向けた検討を日本で本格化させることにあったとしています。早く始めないと乗り遅れる可能性が高いというわけです。仕事のAI代替率をセンセーショナルに発表することで、議論を活性化していこうという意味であって、この代替率が間違いだという批判があればあえて甘受すると話していました。
 従いまして、代替率5割というのは最大値であって、実際には「はるかに低い代替率になる」とみているようです。現実的には社会や国民がどこまで自動化を受け入れるか、費用対効果をどうみるか、倫理的・法的・社会的対応が進むかなどによって変わっていくので、果たしてこの通りに進むかは誰にも分からないとしています。
 つまり、AIによる仕事の代替率といっても、過去の知見に基づく予測しかできないという意味も含めて、外れる可能性が高いと当事者が言っています。言い換えれば、これらの予測は実はあてにならないといっても過言ではありません。世間へ警鐘を鳴らしたいという意味が最も大きかったというわけです。
 そもそも、この共同研究は膨大な職業データなどに基づいてAIが行ったものとしています。AIが結論を引き出したということは、上述の通り膨大とはいえ過去の知見に基づく結論に過ぎません。AI分析の限界はここにあります。人間の歴史は、予期し得ない創造の連続で成り立ってますから、AIで未来を正確に予想することは不可能といえます。 AI代替が進むと、これまで予期し得ない仕事が新たに発生していくのではないかとみています。今担当している仕事がなくなれば、次の仕事を見付けるしかありませんし、これは人類の歴史そのものの歩みであり、これまでと何ら変わりません。20年前はME化やIT化などといって騒ぎました。今はAI化に代わったまでです。直近では真剣に取り組むとしても、将来的には楽観視していいのではないでしょうか?







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