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令和4年12月1日

~年末の災害防止へ準備を~


長引くコロナ禍のなかで企業活動が行われてきた令和4年も、12月が近づいてきました。今年の労働災害発生状況は、4年ぶりに死亡災害と休業4日以上の死傷災害が増加した昨年に比べ、死亡災害がわずかに減少、死傷災害が大幅な増加となっています。これから迎える年末には、慌ただしいなかでの機械設備の保守点検・始動作業や大掃除といった非定常作業が増えることから、各社における一層の安全対策の強化が一層重要になるでしょう。
厚生労働省がまとめた令和4年における労働災害発生状況(11月速報値)をみると、死亡者数は前年同期比24人(3.9%)減の589人と減少しているものの、休業4日以上の死傷者数は同7万2388人(65.3%)増の18万3298人と大幅に増えています。死傷者数の増加分の大半は新型コロナウイルス感染症による労働災害が占めていますが、転倒災害も900人以上増えているのが特徴です。
業種別では、第三次産業で116.6%増の12万8277人と大幅に伸びたほか、製造業、建設業、陸上貨物運送業などの主要産業でも軒並み前年を上回っています。
死亡災害に目を向けると、道路貨物運送業や林業が減少した一方、建設業は全死亡者数の3分の1に当たる216人に上り、前年同期に比べ4人多くなっています。
建設業では、年末にかけて工事が輻輳化し、災害発生リスクが高まることが予想されるため、普段にも増して安全対策の徹底が求められます。高所の開口部・作業床の端への手すり・中さん設置と、危険箇所の「見える化」の推進といった墜落・転落防止のためのハード面の対策に加え、労働者の不安全行動による災害防止に向けた教育実施などの取組みが重要になると考えます。
製造業では、設備の点検・修理といった非定常作業での災害発生に注意してもらいたいと思います。
点検中に設備を稼働させ、「挟まれ・巻き込まれ」災害を発生させてしまわないよう、作業計画書の作成や作業前ミーティングの実施を通じて、関係者間で作業方法・手順などを共有しておくことが大切でしょう。
飲食業については、新型コロナの感染状況と政府の施策の動向次第ですが、年末にかけて店舗が忙しくなる可能性があります。転倒や切れ・こすれ、やけどの防止に向け、整理・整頓など4Sを心掛けるほか、店内マップを活用して「危険の見える化」の取組みを進めることをおすすめします。

<労働新聞>






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