令和7年7月1日 |
~厚生労働省が5月30日に公表した2024年における職場での熱中症発生状況~~厚生労働省が5月30日に公表した2024年における職場での熱中症発生状況によると、休業4日以上の業務上疾病者(死亡者含む)は、統計を取り始めた2005年以降で最多の1257人に上りました。 死亡者数は前年と同数の31人で、記録的な猛暑だった2010年の47人に次いで多くなっています。 死亡災害については、作業現場の暑さ指数(WBGT)を測定しなかったり、労働衛生教育を行っていなかったりするケースがめだちました。熱中症の予防に向けて、企業においてはWBGTを把握し、その結果に応じた作業管理を検討・実施するほか、熱中症の予防・対処方法などに関する労働者教育を徹底してもらいたいと思います。 厚労省の取りまとめによると、熱中症の死傷災害は製造業(全業種計の18.7%)や、建設業(同18.1%)、運送業(同14.8%)で多く発生しています。死亡災害(31件)をみると、作業現場の WBGTを把握していたことが確認できた事案は2割(7件)に留まっています。 一方、熱中症予防のための労働衛生教育を実施していることを確認できなかった事案は5割、発症時・緊急時の措置をあらかじめ確認・周知していることを確認できなかった事案は7割に上りました。 6月1日からは、熱中症に関する報告体制整備や対応手順の作成などを事業者に義務付ける改正労働安全衛生規則が施行されています。改正を契機に企業の取組みが着実に進み、死傷災害の減少につながることを期待しています。 労働新聞 |
---|