| 令和8年2月1日 |
~無期転換めぐるトラブル防止へ~厚生労働省は、有期契約労働者の無期転換ルールなどをめぐり、無期転換前の雇止めに関する考え方や裁判例のポイントなどを整理した「無期転換ルール及び多様な正社員等の労働契約関係の明確化に関する考え方と裁判例」を公表しました。契約更新の条件に転換申込権を行使しないことを盛り込むなど、あらかじめ申込権を放棄させることは無効と解されるとしています。 有期労働契約が5年を超えて更新された場合に、労働者からの申込みにより期間の定めのない労働契約に転換される無期転換ルールについては、申込権の発生直前に合理的な理由なく雇止めをしたケースのほか、申込権発生前に新たに更新上限を設定して雇止め、当初の契約締結時から上限を設定して申込権発生前に雇止め、無期転換申込みの拒否などのケースに関する考え方を示しました。 申込権発生前に上限を設定するケースに関しては、「契約更新について合理的な期待が生じている状況で、使用者が一方的に更新上限を設定しても合理的期待が失われることにはならず、上限到達のみを理由に雇止めが行われても、当該雇止めは客観的合理性・社会的相当性が認められないと判断され得る」と指摘しています。さらに、使用者が新たに設定した更新上限がある雇用契約書に労働者が署名押印したとしても、労働者側に労働契約終了の明確な意思が認められなければ、更新上限の記載は雇止めの予告と判断され得るとしました。明確な意思が認められる場合には労働契約が合意により終了したといえるとしています。 勤務や職務などが限定される多様な正社員については、整理解雇に関する考え方などを示しました。勤務地や職務の限定が明確化されていても、ただちに解雇が有効になるわけでなく、整理解雇法理(4要件・4要素)を否定する裁判例はないとしています。学校法人奈良学園事件(奈良地判令2・7・21)は、職務限定の合意を行い、大学教員として雇用されていた労働者の解雇・雇止めに関し、「経営上の人員削減の必要性を理由に解雇・雇止めにおよんでいるのであるから、その有効性の判断に当たっては整理解雇法理に従うべき」と判示しています。 有期契約労働者や多様な正社員を活用する企業においては、労使トラブルを未然に防ぐ観点から、上記「考え方と裁判例」をチェックしておきたいところです。 労働新聞 |
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