| 令和8年11月1日 |
~情報漏洩経験企業は16.2%、「分からない」も14.8%/民間調査~帝国データバンクは19日、全国1,328社を対象に実施した「情報漏洩に関する企業アンケート」結果を発表した。情報漏洩が「発生したことがある」企業の割合は16.2%で、このうち直近1年以内の発生は5.5%だった。背景には、メールの誤送信などの人為的ミスに加え、サイバー攻撃による被害もみられた。特に大企業では約3割が情報漏洩を経験しており、中小企業を上回った。取り扱う情報量などの多さに加え、情報漏洩や不正アクセスを検知・把握する体制が整備されていることが要因とみている。一方で、「分からない」とした企業も14.8%存在し、自社における情報漏洩の発生状況を十分に把握できていない企業もみられたとしている。 https://www.tdb.co.jp/report/economic/20261019-databreach/ 情報漏洩(人為ミスやサイバー攻撃による漏洩等を含む)、または情報漏洩の可能性がある事案の発生状況について尋ねたところ、『発生したことがある』と回答した企業の割合は16.2%だった。発生時期別にみると、「1カ月以内」が1.3%、「3カ月以内」が1.1%、「半年以内」が1.4%、「1年以内」が1.7%で、直近1年以内の発生は計5.5%となった。また、「1年以上前に発生」は10.7%だった。 企業からは、「メールの送信先を誤った」(建設、中小企業、3カ月以内に発生)といった人為ミスをあげる声が複数聞かれた。一方で、「他社担当者を装ったメールを受信し、緊急だと思い込んで電話確認を行わず情報を送付してしまった」(建設、小規模企業、1年以上前に発生)や、「外部からのサイバー攻撃を受けた痕跡がある。中小企業なので対策といっても大したことはできていないのが実情」(機械・器具卸売、中小企業、半年以内に発生)といった声も聞かれ、外部からの攻撃による被害も発生していることがうかがえた。 他方、『全く発生したことがない』企業は69.1%、『分からない』企業は14.8%だった。 『全く発生したことがない』と回答した企業からは、「情報漏洩を防ぐための教育と設備にお金をかけている」(建設、中小企業)といった声が聞かれた。一方で、「情報漏洩として問題になったことがないため、どのように対策をとるべきなのかが分からない」(建設、中小企業)のように、今後の対策に不安を抱く企業もみられた。さらに、「分からない」と回答した企業からは、「コンピュータのデータ処理に関する専門家がいないため、情報漏洩があったのか、なかったのかが分からない」(不動産、小規模企業)といった声も複数聞かれた。情報漏洩の発生有無を十分に把握できていない企業もみられ、情報漏洩の実態把握や社内における共有、管理体制のあり方について課題がうかがえた。 一方で、「社内規程や訓練、インシデント対応手順の整備を進めるほか、不正アクセス対策、ウイルス対策、ログ管理、二要素認証、ファイアウォール、バックアップ体制などを導入し、高いセキュリティ環境を構築している。今後も継続的な強化を通じて社会的信頼の向上を図る」(専門サービス、小規模企業)のように、サイバーセキュリティ対策の強化に継続的に取り組む企業も少なくなかった。 情報漏洩対策は「防止」だけでなく「早期把握」が重要に本アンケートの結果、過去に情報漏洩を経験した企業は16.2%となり、特に「大企業」では3割にのぼった。メールの誤送信などの人為ミスに加え、なりすましやサイバー攻撃など外部からの攻撃による被害もみられた。一方で、「分からない」と回答した企業も14.8%存在し、情報漏洩の発生有無を十分に把握できていないケースもうかがえた。 昨今、国内企業で情報漏洩事案が相次ぎ、企業規模を問わずサイバー攻撃の脅威が高まるなか、中小企業からも警戒感を示す声が聞かれた。しかし、中小企業では費用面や人材面の制約から十分な対策が難しいとの声もあがっている。情報漏洩への対応には、技術的な対策だけでなく、従業員教育や組織内での情報共有、実態把握や兆候の早期発見、迅速に対応できる体制づくりを進めるとともに、中小企業が継続して対策に取り組める環境整備も求められる。情報漏洩を「起こさない」ための対策にとどまらず、発生時に迅速に把握し、「見逃さない」仕組みを備えることが、企業の信用を守るうえで一層重要となろう。 |
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